私が最初に「吉成由貴」という名前を調べたとき、正直に言うと「声優さんなんだろうな」と思っていました。
ところがさらに掘り下げていくと、思わぬ経歴が飛び出してきて驚かされました。

そう、彼女は プロ雀士 でもあるのです。

私自身、友人と雀荘に行くことはありますが、ルールを覚えてようやく形になる程度。
それなのに吉成さんは、麻雀を始めてわずか1年半で 競技麻雀団体「RMU(リアル・マージャン・ユニオン)」 に入会しているんです。
このスピード感、まさに才能としか言えません。

RMUは2007年に設立されたプロ麻雀団体で、実力主義を重んじる厳しい環境。
その中に入るというのは、ただ「麻雀が好き」なだけでは到底できないことです。
対局マナー、読みの深さ、場の空気を読む力――すべてが一定以上でなければ認められません。

吉成さんは 2021年8月の「第3回RMU女流スプリントマッチ」 にも出場し、見事3位入賞。
たった数年のキャリアでここまで結果を出す姿は、同じ女性としても胸が熱くなります。

さらに、彼女は麻雀に関する発信も積極的に行っていました。
SNSでは対局の感想や戦術の話を投稿し、時には麻雀好きなファンと意見を交わすことも。
私はそのツイートをいくつか目にしましたが、理論的でありながらも読みやすく、「頭のいい人なんだな」と素直に感じました。

面白いのは、博衣こよりとしての活動にも麻雀の要素が垣間見えること。
配信で麻雀ゲームを遊んだ際、初見の人には分からないような高度な打ち筋を披露し、プロ雀士としての素顔を覗かせました。
リスナーから「本当に上手い!」と驚きの声が上がるのも当然です。

声優と麻雀――一見まったく違う世界ですが、両方に通じるのは「頭の回転の速さ」と「瞬時の判断力」ではないでしょうか。
声優としてセリフを読み取る力と、麻雀で局面を読む力。
その両立こそが、吉成由貴さんの最大の武器だと私は思います。


声優としての経歴 ― ベテランの歩み

吉成由貴さんは 2007年2月から声優活動を開始 しています。
この年数を聞いただけでも、もうキャリアは 15年以上
「博衣こより」の可愛らしい声を支えているのは、やはり長い現場経験と鍛えられた技術なんだと納得しました。

彼女の代表的な出演作を振り返ると、幅広いジャンルで活躍していることが分かります。

  • 『ポケモンバトリオV』:おとなのおねえさん ヒトミ役
  • 『逆転オセロニア』:ブランジェッタ役
  • 『ブレイブ フロンティア レゾナ』:ランシア役
  • そのほか、アプリゲームや外画の吹き替え、ナレーションなど多数

アニメやゲームの役に加えて、ナレーションやラジオの仕事も多いのが特徴です。
私が特に印象に残ったのは、企業イベントや広報動画でのナレーション。
一言で人を引き込む声って、日常生活ではなかなか出会えません。

また、彼女の強みは「安定感」だと思います。
声優業界は次々と若手が台頭し、入れ替わりが激しい世界。
そんな中で十数年にわたり第一線に関わり続けるには、確かな実力と柔軟性が欠かせません。

さらに興味深いのは、吉成さんが 薬剤師の資格 を持っていること。
普通なら声優の道を歩むときに別のキャリアは切り捨てがちですが、彼女は両立を目指しました。
その背景には「声優の仕事だけでは食べていけないかもしれない」という現実的な視点もあったかもしれません。
でも、その結果として「薬学の知識を持つ声優」という他にない個性を得ています。

実際に彼女は、医療や薬に関するナレーション案件でも強みを発揮。
専門的な言葉を自然に読み上げられる点は、薬剤師資格を持つ彼女ならでは。
声優のスキルと薬学の知識、この2つの要素が見事に掛け合わさっているんです。


声優と麻雀、二つの道の共通点

こうして見ていくと、吉成由貴さんは「声優」「麻雀プロ」「薬剤師」という三本柱を持つ珍しい存在です。
普通ならどれか一つに専念するところですが、彼女はあえて複数の道を歩んでいます。

私はその姿に「行動力の化身」というファンの呼び名がしっくりくると思いました。
天使リリエル時代に3Dアバターやグッズをすべて自作していたのもそうですが、とにかく行動が早い。
そして一度始めたことは本気で取り組む。

声優業界で培った表現力。
麻雀で磨かれた瞬発力と戦略性。
薬剤師資格に裏打ちされた専門性。

このすべてが合わさって、「博衣こより」という唯一無二の存在を作り上げているのです。
私自身、彼女の経歴を調べるうちに「どんな分野でも本気で向き合えば道は開けるんだ」と勇気をもらいました。